こちらの記事で『自家製小麦の栽培のための準備』を紹介しました。
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『自家製小麦の栽培工程①』では、土壌作り、畝作り、種子選別/消毒、種まきについてまとめました。
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今回の記事では、
『自家製小麦の栽培工程②』
- 麦踏み
- 土寄せ
- カビ対策
についてまとめています。
栽培日記とともにまとめるので、作業時期の参考にしてください。
麦栽培は、週末だけの作業で十分行うことができるので、平日予定がある方でも栽培することができます!
麦踏み
種まきをしたのが11月8日でした。
約1ヶ月後葉が4枚ほどついた頃(15㎝ほどに成長)に『麦踏み』を行います。
“12/14
とうとうこの時期が来た。麦踏み。
せっかくすくすくと育った麦を苗が折れるぐらい細かく上から踏んでいく。”
“12月以降
初麦踏み以降、2週間に1回ぐらい麦踏みを行った。
麦踏みは茎が出るまでしか、踏んではいけない…
しっかり、踏んだ麦は茎が太くなって、しっかり太い株になった。”
麦踏みとは
初めて麦栽培をしたので、『麦踏み』が何か知りませんでした。
『麦踏み』は麦栽培で特徴的な工程の1つだと思います。
【麦踏みとは】
約1ヶ月後葉が4枚ほどついた頃(冬に栽培する小麦:冬小麦なので11月頃)に、麦を足で踏みつける作業です。
乾いた土の上を横向きに細かく進んで麦を踏んでいきます。
葉が折れたり、ちぎれても何度踏んでも大丈夫です。
折れた葉は、数日するとしっかり立ち上がってきます。
麦踏みのメリット
麦踏みにはたくさんのメリットがあります。
- 縦の成長を止めて、苗を太くする
- 麦が大きくなった時に倒れるのを防ぐ
- 根の張りがよくなる
- 分けつ(ぶんけつ)※1が増える
※1 分けつとは
1本の根元から新芽が伸びて茎が分かれて伸びることです。
1本あたりの株が増えます。
麦踏みはいつまで?
12月に麦踏みを始まります。
その後は、2週間に1度ほど麦踏みを行います。
3月になり気温が上がってくると、茎がしっかりでてきます(茎たち)。
茎たちすると麦踏みは終了です。
3月までに4回ほど麦踏みをすることになります。
土寄せ
“2月頃
肥料(101010)をバケツ半分ほどを蒔いた。
肥料の上に軽く土をかけた。
低くなってきた溝を掘る作業に加えて、土を肥料の上にかぶせる作業を2日間かけて、クワと三つ又で溝掘をおこなった。”
麦踏み後の作業として『肥料の追加』と『土寄せ』です。
肥料の追加では、101010を撒きました。
肥料の上に土をかけることで肥料の吸収がよくなるので、土寄せの作業と同じ日に行いました。
土寄せのメリット
土寄せとは、麦の根元に溝の土をクワで寄せていくことです。
土寄せのメリットは、
- 茎が倒れないようにする
- 畝を高くして水はけをよくする
- 根元の乾燥を防ぐ
クワを使って手作業で行ったので、体力も時間も使い果たしました。
この時期になると、雨などで土が削られて畝の高さが始めより低くなっています。
大変な作業ですが、今後成長すると倒れやすくなるので、しっかり土寄せをしましょう。
カビ対策・肥料の散布
4月に入って行う作業は、
- カビ対策
- 肥料の散布
“4/12
硫安(窒素肥料)をまき、倒れていた麦を紐でくくる作業から行った。
10ℓほどのバケツの水に薬(10g)を希釈し、霧吹きに入れて、マスクとゴム手袋で防御し散布を行った。
霧吹きでの散布は、1列終わるまでに手が疲れ出したので、ジョウロによる散布に変更し散布した。
鳥対策用用のテープも完璧に巻き終え、作業終了。
“4/18
前回に続き、肥料とカビ対策。
まずは、硫安(窒素肥料)を撒きながら、麦を束ねたり、雑草を抜いたり。
この頃暖かくなりだして、一気に雑草が増えた。
そして、前回同様に薬を水で希釈し、ジョウロで散布。”
カビ対策の方法
麦の大敵は、『赤カビ病』です。
カビ対策は必須です。
薬は、農協で購入することができます。
4月に2回散布します。
【カビ対策の方法(栽培面積1aの場合)】
- マスク・ゴム手袋・長袖長ズボンで防御する
💡薬を撒く際の防御は必須です。
- 薬10gを10ℓの水に希釈する
- ジョウロに薬を入れて、畑全体に散布する
💡畑の面積が広くない場合は、霧吹きでも大丈夫です。
肥料の散布
この時期の肥料は、小麦粉のタンパク質量に影響します。
撒く肥料は『硫安(窒素肥料)』です。
1Kgをカビ対策と同時期に2回撒きます。
【なぜ肥料を撒くのか?】
日本産小麦粉のタンパク質含有量は11%ほどで産地や年度によって左右されるので不安定です。
カナダ産などの良質小麦粉はタンパク質含有量が12.5%以上で安定しているので製パン性に向いています。
日本で小麦栽培をするときは、肥料によってタンパク質量を向上、かつ、配合によって一定のタンパク質量を確保しています。
草取りと鳥対策
草取り
4月になり気温が高くなるので雑草が一気に生えてきます。
除草剤は撒かずに行ったので、すべて手で抜きました。
麦に巻き付きながらからむ雑草の除去は一番時間がかかりました。
鳥対策
鳥対策は、しっかり実がつき色つき始める5月中旬頃でも大丈夫です。
私は、この時期に防鳥テープだけを設置しました。
【防鳥テープの付け方(1aの場合)】
揃えるもの:支柱24本、防鳥テープ幅3㎝
- 畝の方向に支柱を3本ずつ立てる(端と真ん中)
💡畝に垂直にテープを張ると今後の作業がしにくくなります。
- 防鳥テープを巻きつける
【防鳥テープの効果】
結果、防鳥テープはほとんど効果なしでした。
栽培面積が広かったので、防鳥テープでは畑を覆うことができませんでした。
テープとテープの間から堂々とスズメが入り大量に食べて行きました。
防鳥テープの上に乗って休憩するスズメすら現れていました。
栽培面積にもよりますが、防鳥ネットの方が効果的です。
カビ対策以降の予定
次の記事『自家製小麦の栽培方法③』では、収穫後の作業についてまとめたいと思います。
- 収穫
- 脱穀
- ふるい
- モミ殻取り
- 製粉
についてです。
カビ対策以降は、台風や雨風によって麦が倒れないように注意してください。
収穫まであと一歩です!