イーストとは?天然酵母とは?パンを作るならどちらがおすすめ?それぞれの特徴と使い方を紹介します【天然酵母編】

イーストとは?天然酵母とは?パンを作るならどちらがおすすめ?それぞれの特徴と使い方を紹介します【天然酵母編】

こちらの記事ではイーストについて紹介しました。
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  honaoパンを作りたいけど、どの酵母を使えばいいか分からないなー。 bochiko酵母には、いろいろな種類と特徴があるんだよ。[…]

イーストか天然酵母か?パンを作るならどちらがおすすめ?それぞれの特徴と使い方を紹介します【イースト編】

 

ほなお
honao

イーストの種類は理解した!でも、天然酵母は種類が多すぎて分からないよ…

ぼちこ
bochiko

たしかに天然酵母は種類が多いけど、初めてでも簡単に天然酵母パンが作れるんだよ。

ほなお
honao

え!どうして?

ぼちこ
bochiko

実は、イーストと同じような『ドライ天然酵母』というのがあるんだよ。

 
天然酵母についてこんな悩みありませんか?

  • 天然酵母の種類が分からない
  • 簡単に天然酵母に挑戦したい
  • どの天然酵母を使えばいいかわからない

 
この記事では、天然酵母パンが作りたいけど、
そもそも天然酵母が何か分からないという悩みを解決したいと思います!

酵母の働き

【イースト編】でも書きましたが、もう一度酵母の働きについてまとめておきます。

 
そもそもなぜ酵母によってパンが膨らむのか?

酵母とは、適度な温度湿度のもとで発酵する菌のことです。

糖分を栄養分として、水分と混ぜることで活動を開始します。

 
酵母の働きは2つあります。

  1. 発酵を始めた酵母は生地中の糖分を分解しガスを発生させる

     
  2. グルテンに包まれたガスがふっくらボリュームのあるパンをつくる
    →グルテンとは、小麦粉に水を加えると作られる弾力性と粘着性のある網目状の組織です。この網目状にガスが包まれます。

天然酵母について

天然酵母とは、自然界に存在している様々な酵母のことです。

果物、穀物、花・葉、腐葉土などに存在している酵母菌を自然培養することで、パン作りの酵母として利用します。

 
天然酵母には、大きく分けて2種類あります。

  • 自家製天然酵母
  • ドライ天然酵母

 
自家製天然酵母は、果物や穀類などに存在している酵母を水や砂糖などと共に発酵させて自然培養したものです。

ドライ天然酵母は、市販されている簡単に種おこしができるものです。
天然酵母を乾燥した状態で販売されており、短時間で種おこしができるものから、1日以上かかるものまで様々です。

 
それぞれの天然酵母には、多くの培地※1があります。
以下、代表的な培地をまとめています。

 
※1 培地とは
種を培養するための原材料のことです。
例えば、レーズン種では、レーズンを培地といいます。

自家製天然酵母の種類

レーズン種【初心者向け】

ドライフルーツを培地とする天然酵母の中でも、代表的なのがレーズンを培地としたレーズン種です。

  • 糖度が高いと酵母がおきやすい
  • 培地に水分が少ないので腐りにくい

という利点があります。

 
ドライフルーツを用いたパンにレーズン種はとても合います。

果実種

生のフルーツを培地とした天然酵母です。
果実種は上級者向けですが、その中でも扱いやすいのは、りんごやいちごです。

 
甘みがあるので、菓子パンに向いています。

サワー種

ライ麦と水から種をおこします。
水と粉を繰り返し継ぎ足し、発酵させる(最大5日間繰り返す)ことでパン生地と混ぜることができる酵母になります。

 
ライ麦粉を美味しく食べるために考えられた方法です。
酸味のあるパンが出来上がります。

ルヴァン種

全粒粉の酵母から種をおこします。
ライ麦粉や水を混ぜて作ることもあります。

 
酸味があり、モチモチした食感のパンになります。
フランスパンに適しています。

ヨーグルト種

ヨーグルトに水と砂糖を入れて種をおこします。
乳酸菌を含むので、種おこしがしやすい培地です。
(乳酸菌は雑菌の繁殖を抑える働きをします。雑菌が少ないことで酵母が住みやすくなります。)

また、発酵力もつよくなります。

 
酸味のあるパンが出来上がります。

酒種

米、麹、水で種をおこします。
老化が遅いパンになります。

 
あんパンなどの菓子パンに向いています。
表皮が薄く、しっとりした口当たりになります。

ドライ天然酵母の種類

ホシノ天然酵母パン種

ドライ天然酵母の中でも代表的な酵母です。

国産小麦、国産米、麹、水を使った酵母です。

 
種おこしには、発酵24時間 + 冷蔵庫6時間(休ませる) = 30時間で完成です。

出来上がった種は、冷蔵庫保存で1週間ほど保存可能です。

 
ホシノ酵母の種を発酵させるには、専用の発酵器を利用すると便利です。

温度を気にすることなく安定して種をおこすことができます。
また、その発酵器を利用することで、自家製天然酵母をおこすこともできるので一石二鳥です。

 
一次発酵には最低3時間(夏の室温または、30℃の発酵器を使用)はかかるので、時間に余裕を持って作ってください。

白神こだま酵母

世界自然遺産の白神産地で生まれた酵母です。

世界自然遺産指定地域内で採取した腐葉土の中から、製パンに非常に適した酵母が発見されました。
その中でも、『醗酵力の強いもの』『増殖力の旺盛なもの』『香りの良いもの』が白神こだま酵母となりました。

 
種おこしが不要なのですぐに使うことができます。

粉と混ぜる前にぬるま湯に入れて5分程度待つだけです。

 
粉に対して2%の白神こだま酵母をその3倍〜5倍の量のぬるま湯(約30〜35℃)に振り入れて5分程度待つだけです。

 
実際に作ってみましたが、ぬるま湯は3倍、4倍、5倍でも発酵に大きな変化はありませんでした。
5分待ったあとは、酵母が水分を含むだけでブクブクはしません。
そのまま生地にいれるだけで、強い発酵力を発揮します。

 
白神こだま酵母のメリット

  • 一次発酵は、30℃で40分あれば2倍以上に発酵する(イースト並の発酵力です)
  • 一次発酵後の生地は2週間ほど冷凍保存可能

 
詳しい白神こだま酵母の使い方はこちらをどうぞ。

organic DRY YEAST 有機穀物で作った天然酵母

100%オーガニックの穀物を栄養素にして作った天然酵母です。
原料の有機小麦、有機とうもろこしなどは非遺伝子組み換えで、化学薬品などは一切使わず作られている酵母です。

 
種おこし、湯戻しも不要で、生地に混ぜるだけです。

 
使用の注意点があります。

酵母と水を混ぜてはいけないことです。

 
通常イーストを使う場合は、水を入れる前に粉・砂糖・塩・イーストを混ぜておきます。

有機天然酵母は、先に粉・砂糖・塩を水で混ぜ合わせ、ひとかたまりにしておきます。
※水と酵母を混ぜてしまうと発酵力が衰えてしまいます。

ひとかたまりになってから、有機天然酵母を混ぜ合わせ、その後10分程度こねあげていきます。

 
発酵力は、イーストや天然酵母よりやや弱いですが、短時間でパンを作ることができます。

オーガニック志向の方にはおすすめです。

どの天然酵母がおすすめ?

自家製天然酵母とドライ天然酵母のどちらを選ぶかは、好みになります。

自家製天然酵母ドライ天然酵母
酵母を作りたい天然酵母パンが食べたい
じっくり時間をかけて作りたい時短で天然酵母を楽しみたい
様々な味を食べたい安定した味を食べたい

自家製天然酵母を作りたい!

自家製天然酵母を初めて作る方は、レーズン種がおすすめです。

ドライフルーツは、発酵力が強いので初めてでも作りやすいです。

ドライ天然酵母で作りたい!

ドライ天然酵母で作りたい方は、白神こだま酵母がおすすめです。

作り方・発酵力がイーストと変わりません。
時短で作ることができ、失敗も少ないです。

小麦粉の味をしっかり感じることができるパンが出来上がります。

ドライ天然酵母の違いは、発酵時間(発酵の速さ)・発酵力・味です。

 ホシノ天然酵母白神こだま酵母有機天然酵母
一次発酵時間(30℃)3時間40分60分(パンチあり)
発酵力
小麦本来の味しっとり甘め酵母の深い香り

気分に合わせて楽しめる天然酵母

天然酵母は、酵母の種類によって様々な味を生み出します。

酵母の扱いに正解はなく、作るたびに変化しますが、独特の風味をかもし出します。

作るパンに合わせたり、食べたい味に合わせたり、
気分に合わせてパン作りを楽しめるのが天然酵母の醍醐味です。

 
いろいろな天然酵母に挑戦してください!