
玄米って、食べにくいし何がいいんだろう。

玄米は健康な体づくりにおすすめの食材だよね。

精白米と比べても大した差はないんじゃないの?

玄米は精白米の栄養素と比べると大きく分けて『3つの栄養素』が豊富に含まれているよ
こちらの記事で白米を玄米に変えることで腹持ちがよくなると書きました。
GI値(グライセミック・インデックス)が影響していますが、その理由は玄米に含まれる栄養素が大きく関係しています。
玄米についてこんな疑問ありませんか?
- 玄米は普段食べる白米と何が違うの?
- 玄米にはどんな栄養素があるの?
- 玄米は健康にいいっていうけどどういいの?
この疑問を解決するために、本記事では以下のことについてまとめました。
- 玄米と精白米の違い
- 玄米に含まれる栄養素
- 栄養豊富な玄米で健康な体づくり
玄米と精白米の違い
収穫した稲を脱穀すると籾殻(もみがら)がついた一粒一粒の米が穫れます。
籾殻は食べることはできません。
その籾殻を取り除いた状態の米が『玄米』になります。
玄米は、胚乳にヌカと胚芽がついている状態をいいます。
ヌカと胚芽を取り除き、胚乳のみにしたものが『精白米』になります。

ちなみに…
玄米からとるヌカの量によって『五分づき』や『七分づき』というよ。

胚芽米って何?

玄米からヌカのみをとって胚芽を残した米のことだね。
精白米にもうっすらヌカは残っているから、炊く前に洗うんだよ。
玄米は、精白米に比べて栄養価が高いと言われるのは、ヌカや胚芽に栄養が豊富に含まれているためです。
次項で、玄米の栄養素についてまとめました。
玄米に含まれる栄養素
玄米の全ての栄養素と数値を記載しています。
玄米と精白米の栄養素の比較、玄米による健康な体づくりに興味がある方は、次項を読んでください。
玄米に含まれる主な栄養素は以下の通りです。
※玄米を炊いた場合の100gに含まれる栄養素です。
たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維(水溶性・不溶性) | |
---|---|---|---|---|
玄米(g/100g) | 2.8g | 1.0g | 35.6g | 1.4g |
これらの主な栄養素に加えて、ビタミン・ミネラルを含んでいます。
ビタミンは、全部で13種類ですが、玄米にはそのうち8種類のビタミンを、
ミネラルは、全部で16種類ですが、玄米にはそのうち11種類のミネラルを含んでいます。
玄米に含まれるビタミン
ナイアシン | パントテン酸 | ビタミンE | ビタミンB6 | ビタミンB1 | ビタミンB2 | 葉酸 | ビオチン | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
玄米(mg/100g or µg/100mg) | 2.9mg | 0.65mg | 0.6mg | 0.21mg | 0.16mg | 0.02mg | 10µg | 2.5µg |
※1g = 1000mg, 1mg = 1000µg
玄米に含まれるミネラル
玄米に含まれる11種類のミネラルのうち、1mg以上を含むミネラルは6種類あります。
リン | カリウム | マグネシウム | カルシウム | マンガン | ナトリウム | |
---|---|---|---|---|---|---|
玄米(mg/100g) | 130mg | 95mg | 49mg | 7mg | 1.04mg | 1mg |
1mg未満のミネラルは5種類あります。
亜鉛 | 鉄 | 胴 | モリブデン | セレン | |
---|---|---|---|---|---|
玄米(mg/100g or µg/100mg) | 0.8mg | 0.6mg | 0.12mg | 34µg | 1µg |
栄養豊富な玄米で健康な体づくり
玄米と精白米を比べると大きく分けて以下の3つの栄養素が玄米に豊富に含まれています。
- 食物繊維
- ビタミン
- ミネラル
食物繊維
第6の栄養素と言われる食物繊維は、腸の中でさまざまな働きをする栄養素です。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
g/100g | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
---|---|---|
玄米 | 0.2 | 1.2 |
精白米 | 0 | 0.3 |
玄米と精白米を比べると、玄米に精白米の4倍の不溶性食物繊維が含まれています。
- 便をやわらかくする
- 排便をスムーズにする
- 有害物質を吸着して排出する
玄米を食べることで、便秘解消に繋がります。
また、血糖値の上昇を抑える水溶性食物繊維も含むので、腹持ちが良くなります。
血糖値上昇と腹持ちの関係はこちらの記事(『腹持ちの良い朝食で1日の活力をUP!』)を参照してください。
食物繊維が多い食品にはデメリットがあります。
- 腹持ちがいい反面、消化しにくい!
玄米を炊くときは、柔らかく炊き、しっかり噛んで食べるようにしてください。
小さいお子さんのいる家庭では、玄米は固く食べにくいので、精白米に混ぜるなどの工夫をすることで食べやすくなります。
【参考】
食物繊維の食事摂取基準は、18〜64歳の男性で21g以上/日、女性で18g以上/日です。
(日本人の食事摂取基準(2020年版)| 炭水化物 | 食物繊維より
[https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586559.pdf] )
玄米の食物繊維は計1.4g含んでいます。
お茶碗一杯(150g)の玄米を三食食べた場合、6.3g/日摂取できます。
ビタミン
玄米に含まれるビタミンのうち、精白米と比べて豊富なビタミンがあります。
ビタミンB1は約6倍、 ナイアシンは約14倍、 ビタミンB6は約10倍も含んでいます。
特にビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあるので、米(糖質)を主食とする日本人には必要なビタミンの1つです。
精白米を玄米に変えることでこれらのビタミンをより多く摂取することができます。
ミネラル
玄米に含まれるビタミンのうち、精白米と比べて豊富なミネラルがあります。
マグネシウムは約7倍、リンは約4倍も含んでいます。
マグネシウムやリンは、骨や歯の材料になります。
ただし、リンは、加工食品に多く含まれるので過剰摂取の傾向があります。
食材から摂取するには、玄米などのリンを多く含む食材を取り入れていくように心がけてください。
玄米は精白米より多くの栄養素がある
ビタミンやミネラルは3大栄養素のように直接体を構成する成分ではありません。
しかし、三大栄養素をエネルギーに変える働きや、血管、皮膚、骨などを健康に保つ働きがあります。
不足や過剰摂取は健康に支障が出るので、必要不可欠な栄養素です。
一日の食事摂取基準を満たすにはバランス良い食事を取る必要があります。
精白米を玄米に変えて、よりバランスの良い食事を心がけてください。